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藤澤將人先生編|矯正治療のプロにインタビュー

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矯正治療の歯科医師さんにインタビュー

今回インタビューに答えてくれたのはこの方!
藤澤將人(フジサワ マサト)先生

藤澤將人先生
  • 目白ヶ丘デンタルクリニック・矯正歯科 院長
  • 日本歯科大学歯学部卒業ののち、同大学附属病院の矯正歯科にて勤務。現在は矯正を軸として予防中心の目白ヶ丘デンタルクリニック・矯正歯科を開業。
  • 目白ヶ丘デンタルクリニック・矯正歯科
  • https://www.mejiro-dental.jp/
  • 電話番号:03-3954-2580
  • 藤澤將人先生のInstagram:https://www.instagram.com/masatofujisawa_mdc

先生が、今のクリニックにお就きになるまでの経緯を簡単に教えていただけますか?

日本歯科大学を卒業後、そのまま日本歯科大学附属病院の矯正歯科に入局しました。医局員として患者の治療をするかたわら、臨床講師として学生の授業や矯正医の新人研修なども担当しました。

2012年に、現在の目白ヶ丘デンタルクリニック・矯正歯科を開業し、今に至ります。当院では矯正歯科が専門ですが、一般診療も行っております。また、私自身は日本矯正歯科学会と日本歯周病学会の認定医を取得しています。

先生が目指す歯科医師像はどのようなものですか?

「歯並びや噛み合わせ」、「虫歯や歯周病」を治すだけではなく「患者さん本人を診る」。このようなことができる歯科医師になりたいと考えています。わかりやすくいうと、患者さんの人生に寄り添って歯を守っていけるような、人生そのもののパートナーのような存在になりたいです。

矯正で歯を動かしている時には、歯が抜けやすくなったりすることはありますか?気を付けるべき行動はありますか?

藤澤將人先生

狭い歯並びの方に対して歯が並ぶ隙間をつくる治療を行い、来院が3ヶ月ほど途絶えて久々にいらした時に、想定以上に動きすぎてしまい骨から歯が抜けてしまいそうになっていたことがあります。幸い歯肉に炎症がなかったので、元のように骨の中に歯を動かしていくことで事なきを得ました。

しかし、予定通りの期間で拝見できればそんな事件は起こりにくいで、予想外に期間が空いてしまうと怖いですね。そのため、必ず来院期間を守ってもらう事、もしなんらかの事情で来れなくなる時は必ず連絡をいただくようにしています。

患者さんが矯正を始めてから感じる違和感や治療前との齟齬が出やすいポイントなどはありますか?

矯正で歯を動かし始めると、どうしても噛むと響く、痛いという症状がでます。「思った以上に痛かった」のか、「思ったよりは痛くなかった」かは患者さんがどの程度の痛みを想定していたかで変わります。なので、「結構痛み出ますよ!」と最初から伝えるようにしています。

また、骨の硬さ、部位、年齢、噛み合わせの強さなどの要因で、歯が予想通りに動かない場合があります。これには個人差があり、事前に治療期間は正確にはわかりにくいものです。治療期間が延長すると、成人式や結婚式などの写真撮影や引越しなどのライフプランに関わってくることがあります。そのため、こちらが想定している期間より少し長めに治療期間を考えていただくようにしています。

矯正治療を始めてから起こりやすいトラブルはありますか?何に気を付けるべきですか?

矯正治療において起こりやすいトラブルとしては、歯につけたブラケット(ワイヤーを通す装置)がとれてしまうことが挙げられます。硬くて大きな食べ物をかじったり、引きちぎったりするような食べ方は、リスクとなってしまいます。

具体的にいうと、りんごの丸かじりやお菓子のグミや厚めのお肉などを食べる際は、ブラケットが外れやすいですね。

藤澤將人先生

歯列矯正を進めるうえで、歯科医とのコミュニケーションの取り方や伝えてほしいポイントはありますか?

痛みや装置がとれるなどの不具合がでた時の急患対応をどのようにしてもらえるのか、期間はどのくらいかかるのかなどを、最初に診察で細かく質問して答えてもらっておくと良いです。その際にわかりやすく説明してくれる先生だと理想的ですね。また、治療を開始してからは、来院する間隔を必ず守るようにしてください。

痛みに耐えられなくて矯正を外したい場合にはどのように対応するのが良いですか?

患者さんが痛みを訴えているとき、まずは何による痛みなのかを知ることが大切です。矯正器具の調整をした後の痛みであれば、2〜3日をピークに1週間もあれば落ち着きます。

食事中に噛む際の痛みの場合は、氷水を1〜2分含むことで感覚が麻痺するので、痛みは少しだけ軽減されます。 それでも痛みに耐えきれないのであれば、矯正器具による調整の力を弱めてみることもできます。また、舌触りや頬の粘膜に刺さって痛みが生じている場合も、担当の先生に相談して調整してもらうことが大切です。ただし、矯正治療には慣れもあるので、ある程度の様子見は必要です。

矯正治療中に他の歯科治療が必要になった場合の対応は、何を優先的に治療すべきですか?

例えば、かつての虫歯治療のつめものが取れてしまった場合は、すぐにつめもののやり直しが必要です。また、歯が折れてしまった際には、抜歯と治療計画の変更が必要になる場合もあります。 ただ、矯正中も定期的に歯のメインテナンス(定期検診と専門的なクリーニング)をしていれば、新たな虫歯や歯周病の治療が必要になるということはありません。

下の第二大臼歯が一本生えてこないのですが、永久歯が生えない場合どのタイミングでどんな治療をすることが良いのでしょうか?

第二大臼歯は別名12歳臼歯と呼ばれる歯なので、患者さんの年齢が13歳くらいまでは経過観察します。

親知らずが原因であれば親知らずの抜歯を、第一大臼歯(6歳臼歯)にひっかかって生えてこないのであれば矯正器具で歯を牽引するなどの治療が必要になります。 当院では、半年に1度は奥歯だけ写る小さなレントゲンを撮り、虫歯や適切な生え変わりの見逃しがないように心がけています。

顎がしゃくれている方でも矯正治療は効果が見込めますか?

藤澤將人先生

しゃくれていると表現する場合に、下顎が過剰に出ているのか、上顎が正常より後方へ下がっている(劣成長)のか、まずは正確に診断する必要があります。上顎が劣成長であれば、10歳頃までは前方へ成長を促進させることは可能です。上顎の成長が正常で下顎が過剰にでている場合は、その原因を突き止めて改善する必要があります。

多くの場合は「舌の位置」と「唇の周囲の筋肉の不調和」が原因であると考えられており、筋機能療法(MFT)と呼ばれる舌と口腔周囲筋のトレーニングを行うことが推奨されています。 上顎の成長は10歳頃までですが、下顎の成長は18歳頃まで生じます。そのため、下顎の成長が終了した後に、歯列の矯正や顎の骨格の手術を伴う矯正治療(顎変形症)などで改善していきます。

先生が考える良い矯正歯科医とはどんな先生でしょうか?

正確な知識と技術があることを大前提として、どんな質問にもしっかりと納得がいく説明をしてくれる先生が良い矯正歯科医だと思います。

歯列矯正が上手い先生とそうではない先生の違いはありますか?また、見極める方法はありますか?

とても難しいのですが、HPの症例写真はいわゆるホームラン症例と呼ばれる上手くいったケースです。また、治療件数を誇示する書き方をしている先生は1人辺りの治療時間をしっかりと取れていない可能性があります。

ですので、HPに記載されている実績は、あまり鵜呑みにしないほうが良いかもしれません。 ブログやSNSなどでよく勉強会で発表されている先生やセミナーの講師をされている先生ならば、最低限の知識と症例の経験があると考えてよいと思います。

矯正治療をする先生によって、治療期間が変わることはあるのですか?

「上手い下手」で変化すると言ってしまうと身も蓋もないですが、実際はあると思います。しかしながら、どんなに治療の上手な先生でも想定外に歯が動かず期間が予定より伸びてしまうことがあります。

そういった状況になった際は、なぜ歯が動かないのか、なぜ期間が伸びているのか、しっかりと原因を理解した上で説明して、患者さんと歯科医師の良好なコミュニケーションを維持できることが一番大切だと考えています。

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